小西たづ子と申します。兵庫県で美容室を経営しております。どうぞよろしくお願い致します。
SPC入会前の状況についてですが、私の場合は少し特殊で、SPCに入会するまで理美容の業界とは無縁の世界で生きておりました。結婚前はごく普通のOLで、結婚してからも主婦として家庭に入っておりました。SPCについては、美容師の主人が会員でしたので名前は聞いたことがありましたが、仲間と共に美容室経営の勉強などをしている団体という程度の認識でした。
転機が来たのは今から11年ほど前になります。ちょうどその時主人のお店の状況なのか人間関係なのかわかりませんが、スタッフ数が少なくなってしまった時期がありまして、主人も現場に毎日入らざるを得ず、SPCの会議にもなかなか参加する余裕がなくなってしまい1年間の休会という形をとらせていただいていました。

そんな状況の中、当時の本部長から「そろそろどうですか」というお声をかけていただいたのですが、主人はまだ出られる状態ではなくて…。その時に自然と「私が会議に行こうか」という言葉が出ていました。そういう方向で話が進んでしまいまして、主人と交代ということで、メディアモーダ会員ではなく、いきなりSPC正会員にさせていただきました。今思えば大胆だったかもしれません（笑）。
そんな状態でしたから入会の動機は、「お誘いを受けて素直に波に乗ってみた」というところでしょうか。それが私にとって、大きなターニングポイントだったと知るのは、ずっとあとのことです。

主人の代わりに正会員にさせていただいて、会議に出させていただいたのは良いのですが、全くの素人でしたので、最初はみなさんの会話がまったく理解できません（笑）。メーカーさんの名前、薬剤の名前、美容業界のプロなら当然の知識もありません。それでもSPCのみなさんから受ける前向きなエネルギーは、とても新鮮で共感できるものでした。
入会して３か月ほどたった頃「店を改装してもっとお客様もスタッフも集めたい」という気持ちが強くなってきました（笑）。会員のみなさんからは「改装よりも新たに出店した方がいい」というアドバイスもいただきましたが、まずは今のお客様にもっと良い店でもっと良いサービスを提供したいという気持ちが強く改装の決断をしました。この頃はお客様目線だけの自分がいました。
SPCのみなさんから得たエネルギーで決断した改装や、SPCの店長会議で勉強した店舗経営の基本等は、成功の大きな要因になりました。1年ほど経って売上が上昇してきた頃、主人とオーナー業も交代しました。
組織内での活動としては、資質表現教育がスタートです。経営も営業も分からない素人同然の私を当時の本部長が、これならということで担当として関西統括に送って頂いたおかげで、資質表現教育に携わるみなさまと出会う事ができました。ここで、私自身の中にあったものをまず引き出してもらったと思います。その後の、総務、組織部、そして本部長、統括総務部長と大役を歴任させていただきました。その全てのステージが大切な経験となり、店舗経営の礎となっていったと思います。

美容業界について何も知らなかった私が多くの人と出会い、気がつけば自社や組織の中で認めていただいている。これは本当に嬉しいことです。SPCに入って本部長の頃から周りの事がよく見えるようになり人を認める事もできその人の奥にあるものを感じ表に出ているものだけで判断しない自分ができました。色々な事を深く感じるようになりました。私の周りには必然的にいい人が集まって助けてくださいます。総務部長時代に神戸で開催した全国大会のときもそうでした。役職を通して自分自身が成長できると感じております。

観的に考えれば、ずっと家庭にいた人間がSPCという組織内で活動していくことは平たんな道ではなかったと思います。実際戸惑ったこともありました。
こんな素人でも受け入れて育ててくださったことには本当に感謝しかありません。
今思えば私の場合技術者でなかったことも良かったと思います。その部分にこだわりがないからこそ、人を雇用して任すという形がとれました。あとから考えたら全て良しです。常に前向きな気持ちが強かったのと絶対だれかが助けてくれると信じているからあまり苦しかったという感覚はありません。

私にとっては抱負と言うより、人生の大きなテーマなのですが、多くの人に自分の目指す生き方を伝えたいと思っています。
私の信条はストレスのない生き方をして、幸せを感じられる人間になることです。実際、ものすごく楽しく生きていますし、幸せに感じています。それが希望や目標に向かうしなやかな力になっています。
お店を増やそうとか売上を伸ばしたいとかそういった抱負ではないのですが、そんな生き方を発信していける仲間をいっぱい作りたいと思っています。豊かな人生を送ること幸せを感じる生き方をもっともっと伝えていきたい。そのように考えています。